初恋・・?

 私とトリトンの出会いは、小学6年生の夏休みでした。
 私は鹿児島の離島に住んでいたので、社会勉強をかねて兵庫の親戚のところに2週間ほど遊びにいきました。そのとき、朝の子供アニメ劇場でトリトンの再放送があり、そこで私はトリトンと初めて出会うことができました。
 その日も朝の苦手な私が、寝起きでぼーっとテレビを見ていたら、いきなりあのトリトンのオープニング、海底火山から飛び出すタイトル文字、勢いのある歌、息をもつかせぬ映像、イルカに乗り大海原から現れた美少年トリトンに一目で惹かれました。(今見てもこのオープニングはしびれます)
 第1話、ポセイドン族の怪獣が村を破壊し始めたため、トリトン族の衣装を身にまとったトリトンがルカーに飛び乗るシーンは興奮MAX。かっこいい〜!いきなり剣をとって戦うんのじゃないところがまた良かった。ラスト、トリトンは自分の秘密を知るため、また、自分が村にいるとポセイドン族が襲ってきて迷惑かけるということで、泣く泣く海に還ります。このとき涙するトリトンとじっちゃん、暗い海にひとり旅立った後姿にもう、恋をしてしまいました。


              一番情熱的だった頃(若さゆえの・・・)

 その後、自ら早起きするようになった私に親戚は大喜び(思わぬ効果)、私もトリトンに会える平日の朝が楽しみでした。しかし、滞在期間はあっというまに過ぎ、私は放映途中で帰らねばならなくなりました。今思っても・・(泣)
 ラッキーなことに、鹿児島に帰ってまもなく私の祈りが通じたのか(ナイナイ・・^^)鹿児島でも再放送がはじまりました。
 もう一度トリトンに会えて舞い上がる日々。友達の誘いもことわり一心不乱に家に帰る私に友人から「トリトン馬鹿」とまで言われたけど、幸せでした。
 勉強する目的で買ってもらったラジカセは、トリトンのお話を録音するために大活躍!テレビの音が出るところにラジカセを近づけ、雑音が入らないように注意しつつ、さらに画面を食い入るように見る、今考えるとすご〜くおかしいポーズでテレビの前に立つ私。目が悪くならなかったことが唯一の救いでした。終わると、夕食後すぐに机に向かい、お気に入りシーンの台詞をテープからノートに書き出し、記憶が鮮明なその日のうちに漫画化する地道な作業。これも、絵の上手い下手は関係なく、「いつでもトリトンに会いたい!」という一心からでした。
 いよいよ最終回、悲しい、寂しい、でも結末が気になりなる!と、いつものようにいつもの格好で見入る私。・・でも、「え?何?どういうこと?」と例の終わりに呆然。「あ、これは最終回じゃなくって実はもう一話あるんじゃないの〜?」とお気楽な私はそう思い動けずにいました。けれど、次のアニメの予告が入り、そのときやっぱりあれが最終回だったんだと思い知りました。


                 ひろがったトリトンの世界

 中一の時、偶然、ある月刊誌の読者投稿ページで、トリトンのファンクラブがあることを知りました。トリトンという言葉に無条件反射して、わけもわからぬまま入会したいと手紙を出しました。それは静岡を拠点としたファンクラブで定期的に送られてくる会誌(ときにはセル画のカラー印刷の表紙あり♪)に今まで一人でトリトンと騒いでいた私は、トリトンの人気に驚き、狂喜していました。
 当時、年上の高校生の方が編集部を運営されており、私はほとんどカットを送るだけの会員でしたが、自分のカットが載った会報が届くのは夢のようでした(今もお絵描きしかできないのは変わっておりません〜ははは・・・)
 そこで知り合った会員の数名の方と文通をしたりして、ますますトリトン熱は加速しました。でも、離島ということもあり、イベントや上映会には行くことができませんでした。
 BGM集やLP(羽根さんの書き下ろしポスター付き)が発売されたときは、絶対手に入れる!と姉のように慕っている兵庫の親戚に頼み、購入して送ってもらいました。
 今思うと、飽きっぽい私にとって、すぐに手に入らない、また、ビデオとかない時代の不便さが、逆によかったのかもしれません(♪会えない時間が〜♪です)。
 秋の文化祭ではトリトンの衣装に似たものを着たいと、「クリスマス・キャロル」の劇中、幽霊役としてマントを羽織るなどして半分成りきり状態(これも若さゆえの過ち・・)
 中学2年のときは学校が統合されたため、4kmはなれた山の中の校舎に徒歩通学することになりました。そんな状況の中、最後の再々放送が始まりました。部活もしていた私は、5時頃(4時半?)からのトリトンのために走りましたとも、4kmの山道を。脱兎のごとくセーラー服翻し、血相変えて・・・
 そんな思いをしてなんとか酸欠状態でTVの前に駆け込む日々。
でも、どうしても見逃してしまう回がありそれが、第13話と第25話でした。13話といえばトリトンがピピをお姫様抱っこする名シーンがある回!これだけはどうしても見たかったのに、無念でした。

 やがて、入会していたトリトンFCが解散することになりました。理由は今は思い出せませんが、編集部の方が高校生だったので受験とかがあったかもしれません。
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